[ベトナム] 南部の不動産市場回復早い

2021/11/18


Covid-19パンデミックによる経済活動の減速から4か月超、ベトナム南部・ホーチミンシティ周辺の不動産市場が勢いを取り戻し、需要が供給を上回っていることで、楽観的な回復の兆しが見えています。



ホーチミンシティの不動産市場は、Covidの流行が始まって以降停滞していましたが、ドンナイ、ロンアン、ビンズオンといった近隣の省では、力強い成長がみられるようです。



ホーチミン市内および周辺のデベロッパーにとって、交通インフラの改善により、距離はもはや問題ではなくなっています。価格がより手頃で、不動産開発のポテンシャルのある、近隣の省への注目が高まっています。



ホーチミンシティでは、全てのセグメントで合わせて20件ほどのプロジェクト、約30,000戸が、今年前半に立ち上がりました。



ベトナム不動産仲介業者協会(Vietnam Real Estate Brokerage Association)は、経済はペースをつかみ、より良い成長を遂げるだろう、そして投資や住宅需要も回復してくるだろうと読んでいます。



アパートメントセグメントは、都市部では大きな割合を占めると見られています。特に、中間所得層向けの、2ベッドルームのユニットの需要が最も高いようです。



都市部の住宅需要は年間10万戸を越え、供給を上回っています。供給量が限られる理由は主に土地が少ないことと法的な障害によって、デベロッパーがビンズオンやドンナイといった近隣の省に目を向けているからです。



ドンナイ省の住宅市場には特にデベロッパーの注目が集まっています。ノヴァランド、DICコープ、ダットサン、ナムロンといった大手は、すでに他の地域とを結ぶ高速道路など、インフラの改善によってもたらさせるオポチュニティを掴もうとしています。



建設中の主要なインフラプロジェクトには、ロンタイン国際空港、ベンルックーロンタイン、ビエンホアーヴンタウ高速道路、ドーザイーファンティエット自動車道などがあります。



2021年8月時点、ドンナイ省では1,900ヘクタール超の土地に対して、9兆ドン(約454億円)超の補償金支払いを承認しています。



ドンナイ省の人民委員会は、さらにロンタイン空港とをつなぐ地方道路763号および770号の2つの道路のための資金4兆ドン(約202億円)を政府に要請しています。



アナリストは、将来、空港の周りにある不動産プロジェクトは大いに恩恵を受けるだろうと述べています。



特に、ダットサングループが開発するジェム・スカイ・ワールド都市エリアプロジェクトは、急速にその人気を伸ばしています。



ビンズオン省では、トゥアンアン市やディーアン市など、ホーチミンシティに近く経済発展が見込めるような地域は、ホーチミンシティにはない、アフォーダブルアパートメントプロジェクトに理想的な場所だと見られています。



ベトナム不動産業者協会(Vietnam Association of Realtors)は、ビンズオン省のアパートメント価格はコロナにもかかわらず昨年急激に上昇し、平米当たり2,500万~3,000万ドン(約12.6~15.1万円)だったのが、今では3,000万~3,500万ドン(約15.1~17.7万円)となっていると話しています。ただ、これでもホーチミンシティよりはずっと低い価格になっているということです。



(出所:Vietnam News

(画像:Photo by Lieu Cap on Unsplash  )