[カンボジア] 不動産セクター、回復への道を歩み始める

2023/07/03



世界銀行の最新の報告書によると、カンボジア経済は、製造業の輸出とサービス業と農業の成長に牽引され、回復への道をしっかりと歩んでいます。カンボジア経済の見通しは、衣料品、観光、農業、建設、不動産など、重要なセクターの業績と密接に結びついています。カンボジアの建設セクターも回復の兆しを見せており、2023年1月~5月の投資額が増加しました。



国土管理・都市計画・建設省のラオ・ティプセイハ国務長官によると、建設セクターへの投資総額は、今年1〜5月で前年同期比138%増の22億7000万ドル(約3,280億円)に急増しました。



最近行われた不動産セクターに関する座談会の中で、国務長官は、カンボジアが今年の1月~5月に発行した建設ライセンスが1,463件であったと明かしました。建設プロジェクトの増加は、パンデミックの打撃を受けた建設・不動産業界が回復し始めたことを示していると話します。



オンラインニュース「Khmer Times」によると、カンボジアには現在、2,586棟の高層ビル(5階以上40階未満)、547ヶ所のニュータウンおよび集合住宅、40,917棟のアパートメントがあります。



カンボジア建設業者協会の会長代行であり、カナディア・グループのエグゼクティブ・バイス・プレジデントであるチャールズ・ヴァン氏は、 「外国人観光客や投資家に対するカンボジアへの入国が再開されたことは、良好な見通しの一因となっています。プノンペン、シェムリアップ、シアヌークビルといった観光地への投資も、国内外からの投資流入と同様、カンボジア産業の活性化に貢献しています。」と述べました。



カンボジアでは、複数の橋や道路、テチョ国際空港(TIA)など、いくつかのインフラ・プロジェクトが現在全国で進行中です。これには、複数の橋や道路、そして2025年に運用開始が予定されているテチョ国際空港(TIA)が含まれています。



▶関連して読む

[カンボジア]2023年の注目インフラプロジェクトは
https://propertyaccess.jp/articles/cambodia-top-infrastructure-projects-2023


前述のヴァン氏は、新空港都市の建設は旅行者のためだけでなく、商業・居住コミュニティとしての役割を果たすために建設されているのだと述べています。「インフラ、交通、物流、ビジネス、商業、住宅地、大型ショッピングモールのビジネス地区、ホテル、コンベンション/展示エリア、豊かな緑地を備えた開発は、新空港都市を成熟した都市機能エリアに発展させるのに役立つでしょう」と話しています。


2023年、公共事業運輸省は中国道路橋公社(CRBC)に対し、プノンペン-シェムリアップ高速道路計画に関する調査を実施する権限を与えました。



政府はCRBCと官民パートナーシップ(PPP)契約を締結し、14億ドル(約2,020億円)相当のカンボジア第2の高速道路プロジェクトPhnom Penh-Bavet Expresswayの建設を開始しました。この高速道路は、全長135キロ、4車線で、カンダール州ルヴェア・エム地区から延び、キエン・スヴァイ地区デイ・イス・コミューンに建設される橋を通って国道1号線につながります。建設は4年で完了する予定です。



さらに1ヶ月前、China Harbour Engineering Company Ltd(CHEC)は、カンボジア南西部のカンポット州に多目的海港を建設する契約をカンボジア企業から獲得しました。このプロジェクトは15年間にわたって、3段階で建設を実施するもので、総工費は15億ドルと見積もられています。



世界銀行が5月に発表した報告書でも、建設部門の復活が示されています。報告書では、2019年以来初めて、2023年の最初の2ヶ月間に承認された建設許可の承認額が増加したと述べられています。「建設・不動産部門への投資意欲の再燃を反映してか、建設許可承認額は増加し、2023年1~2月期には8億200万ドル(484%増)に達しました。このうち、パンデミック前の時期に最も急速な建設ブームを経験したシアヌークビル県のプロジェクトの建設許可承認額は1億6,000万ドルで、2022年のゼロから増加しました。」と述べています。



承認された建設許可面積も増加し、120万平方メートル(278%増)に達しました。



一方で、世界銀行は、建設許可件数増加はあるものの、不動産開発活動は供給過剰に苦しんでいる可能性があると警告しています。



「パンデミックが発生する数年前、首都プノンペン、観光地シェムリアップ、海辺の町シアヌークビル、国境の町ポイペットやバヴェットなど、カンボジアの都市中心部は急速な建設ブームに見舞われました。国内市場が比較的小さいため、このブームは供給過剰を招きました。」



「2023年1~2月の建設許可額は上昇したものの、建設資材の輸入実績はまちまちでした。主に建設産業で使用される鉄鋼の輸入が加速し、2023年1~2月の数量ベースで18.5%の伸びを示した一方で、建設機械とセメントの輸入はそれぞれ7.1%と38.3%の縮小となりました。」と報告しています。



このような状況に対し、不動産サービス会社CBREカンボジアのマネージング・ディレクターであるローレンス・レノン氏は、投資家やデベロッパーは不動産業界の急速な変化に注意すべきだと述べています。



▶カンボジア不動産に興味がおありですか?

■日時: 2023年7月7日(金曜日) 19時〜
■形式: Zoom・事前登録制


【現地から生中継!】

PropertyAccessは、定期的に海外視察ツアーを行っております。今回、ホーチミン~プノンペンの視察ツアー中の弊社 竹田と神谷が、現地プノンペンから生の情報をお伝えします。

カンボジアの街並みってどんな雰囲気?
治安面は大丈夫?

視聴者のみなさまのこのような疑問を解消すべく、現地から中継します!


▼お申込みはこちら▼
https://us02web.zoom.us/webinar/register/6816643325816/WN_HnTUV2TER8yFejviqAmguA

 

(出所:Khmer Times)

(画像:UnsplashのSAM sokkolinmonyが撮影した写真)