[ベトナム]首都ハノイとホーチミンシティ、メトロ工事の進捗は?

2021/12/08


■ハノイ


2021年11月6日、国内初となる都市鉄道(メトロ)2A号線(ドンダー区カットリン~ハドン区間)は、2011年10月の着工から10年の工期を経て運行を開始しました。地元の人々は、自家用車を使うよりも、メトロを使った方が、経済的で渋滞や騒音公害もなくて良いと評判のようです。



各車両の最高時速は80キロで、4両編成、900名超の乗客を収容可能です。



10月29日のメトロ路線の品質評価の結果が承認を受けて、運行開始にこぎつけました。



総投資額は8.86億USドル(約1,008億円)で、中国の政府開発援助を受けています。高架線の全長は13キロ超で、12駅あります。



また、12月6日には、ハノイ都市鉄道3号線プロジェクトの第1フェーズ「ニョンーハノイ駅」の区間で、最高時速80キロで試運転が行われました。



ハノイ市都市鉄道管理委員会(MRB)によると、速度を最高速度まで上げて、運行の品質と、情報、信号、統制システムとの間の連携が確認されました。



ニョンーハノイ駅の12キロの区間は、ナムトゥリエム区のニョンから、ハノイのドンダー区までとなっており、高架駅が8つ、地下駅が4つです。



S1駅(ニョン)を出発した電車は、S8駅(コーザイ区)まで運行してから戻りました。2つの駅の間の距離は8.5キロです。



電車の最高時速80キロまで出せますが、実際には駅と駅の間が1キロ程度のため、80キロにまで達することは難しいということです。



平均時速は35キロ、駅と駅の中間地点では時速70キロ程度にまで達するということです。



最高速度での試運転は、運行の品質と安全性評価のために重要です。



運行開始したら、8本の電車で運行され、1両はピーク時の負荷緩和に使用されるということです。



944名から1,124名の乗客が各電車で運ばれる想定です。電車の設計および製造は、フランスのアルストム社です。プロジェクトの投資額はおよそ30.1兆ベトナムドン(約1,483億円)で、フランス開発庁の開発援助とフランス政府の融資で調達されました。



都市鉄道3号線は、ニョン地区とハノイ駅を結び、ナムトゥリエム区、バクトゥリエム区、コーザイ区、ドンナー区、ホアンキエム区を通ります。高架区間の稼働は今年末までに開始予定で、残りの地下の区間の利用開始は来年になるということです。



▶ハノイ地下鉄路線図(出所:Hanoi Metro






■ホーチミンシティ


ホーチミンシティ都市鉄道(メトロ)1号線の2つの地下の区間の敷設が進んでおり、2か月程度で完了します。



ホーチミン市都市鉄道管理局(MAUR)によると、この2つの区間の線路設置は11月9日から開始しました。



この2つの区間は全長660メートル、幅1.43メートルで、オペラハウスとベンタイン駅の間の区間を並行に走ります。



工事にあたった56名のエンジニアと建設作業者は全員ワクチン接種済みです。



メトロ1号線の地下鉄同システムは、全長2.6キロで、市内中心部に3つの駅を構えています。バソン駅とオペラハウス駅のロビーや券売機などといった施設はすでに完成しています。



ベンタイン駅の工事の完了は年末に予定されています。メトロ1号線の中央駅となるベンタイン駅は、将来別の3つのメトロ路線と接続されることになっています。



11月10日時点で、路線の工事の約88%が完了しています。工事は当初、今年末の完成が予定されていましたが、Covid-19パンデミックにより建設作業と輸入に大きな影響が出ました。現時点での完成は、2023年末から2024年初が予定されています。



1区のベンタイン市場から9区のスオイティエン・テーマパークまでの19.7キロの区間・14駅(うち3駅は地下)には、43.757兆ドン(約2,156億円)が投じられます。メトロの建設には日本のODA(政府開発援助)とJICAの資金が使われています。



17本の電車が日本から輸入されることになっており、うち7本が受領済みです。



今回の路線は、ホーチミン市内に建設予定の8本の路線のうちの1番目となります。



▶ホーチミンシティメトロ路線図(出所:HMCM METRO


(出所:Vietnam Plus (1)Vietnam NewsVietnam Plus(2)

(画像:Photo by Peter Nguyen on Unsplash )