[カンボジア] 2022年上半期の税収に最も貢献したのは不動産譲渡税

2022/07/28


カンボジア経済産業省(Ministry of Economy and Finance)の国税総局(GDT)によるプレスリリースによると、不動産の譲渡にかかる印紙税が、2022年前半期の税収に最も貢献しました。



 
不動産の移転にかかる印紙税は、不動産が、売買、交換、贈与、相続などによって不動産を取得したときに支払われる税金です。



2022年1月から6月期の総税収19.7億ドルとなり、前年同期比で30%近く増加しました。GDTによると、通年の税収目標28.2億ドルのうち、69.8%が半期で達成できました。



前年同期比で不動産譲渡にかかる印紙税は44.38%、特別税は34.01%、付加価値税は33.37%、所得税は27.19%、給与所得税は25.16%、不動産賃貸にかかる税は10.12%増加したということです。



会計事務所Kプロフェッショナル・アカウンツ(KPA)の会計・税務ソリューションのマネージングダイレクター、クン・ダリット氏は、クメールタイムズに対して、不動産の譲渡はハードタイトルまたはソフトタイトル*で行われ、譲渡の印紙税は一般的に、税務当局のリストに定める不動産価格の4%の利率で支払われると述べています。


*日本国土交通省のウェブサイトより

●ハードタイトル=記載されている権利が国土整備・都市化・建設省の管轄下にある登記所に正式に登記されている権利であることを示す。登記手続の違いにより3種類がある。
●ソフトタイトル=多様なものがあるが、一般的にはコミューン、サンカットと呼ばれる地方自治体の長が申請者による物件の占有を証明した書面や、売買当事者の占有権譲渡契約書を上記地方自治体の長が認証した書面を指す。正式に登記所に登記がなされていないものであり、所有権を示すものではない。




ダリット氏は、「不動産譲渡にかかる印紙税の貢献は、不動産売買の取引が増えてきていることを反映しているでしょう。」と述べ、親から子への譲渡など血族内の取得については、税の支払いが免除されると付け加えました。



しかし、まだ経済が完全に回復していないため、不動産市場における不動産の売買取引はさほど多くはなさそうです。


「市場内での取引または譲渡の数は多くなかったものの、売買で移転された資産の価値が高かった可能性があります。例えば、土地付き戸建て住宅ボレイが丸ごと1棟所有権が移転されたなどです。そうすると、取引数は少なくても、資産の価値は大きくなります。」とダリット氏は説明しています。



カンボジア鑑定人・不動産代理人協会(CVEA)のプレジデント、カンボジアチレック・ソクニム氏によると、少額の取引が多くあっても税額としては多くないが、都市部は異なり、取引数は少ないが、特にボンケンコン区の物件などは、額がかなり大きくなると述べています。



「多くの為替取引が入る大規模プロジェクトの送金がされた可能性もあります。ですから、数字は不動産市場の現実を反映していると思います。ボレイやコンドミニアムが、中心部でも郊外でも売買されているのを見てきています。」とソクニム氏は述べています。


 

「市内・市外ともに土地付き住宅の販売も続いています。つまり、開発のポテンシャルはまだあるということです。よって、数値は現実を反映していると言えるでしょう。」


MEFのアウン・ポーンモニロット大臣は、GDTが不動産識別(不動産ID)の仕組みを継続実施し、各不動産オーナーの納税を証明し、納税することなく不動産を販売しないようにしていきたいと話しています。



(出所:Khmer TimesPhnom Penh Times

(画像:Photo by Paul Szewczyk on Unsplash )