[カンボジア] プロップテックが熱い

2022/10/26


プロップテックはますます人気の流行語となっており、不動産業界において、これまでの常識を覆すような革新的な技術を意味します。カンボジアで利用されているプロップテックのトレンドと、それらの技術が不動産業界にどのような変化をもたらす可能性があるかについて見ていきましょう。



まずはおさらい。プロップテックとは?


プロップテックとは、不動産(Property)と技術(Technology)をかけ合わせた造語で、不動産業界関係者や不動産デベロッパーが、今までのやりかたを根本から変え、不動産の売買、リサーチ、市場などを最適化するために利用することができるような技術的ツールです。プロップテックは、不動産と技術をすり合わせることができるのです。


世の中には、数えきれないほどのプロップテック企業がありますが、その中でも今までの常識を根本から覆し、業界に付加価値をもたらすような企業はあまりないといわれています。とあるレポートによると、過去10年間に世界中で9,000社以上のプロップテック企業が設立されたそうです。アジアのプロップテック業界が世界のプロップテック企業に占める割合はたった3.5%で、そのほとんどが中国企業です。


プロップテックの例としては、テクノロジーを利用して不動産のプロモーションを行うデジタルプラットフォームなど、スマート不動産(IoT(Internet of Things)には、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、フィンテックソリューション、データセンター等のテックインフラやメタバースなどの最先端のテクノロジーがあります。

 


カンボジアにおけるプロップテックーVRとウェブ機能

レジデンシャルおよび商業プロップテックは、物件の売買を容易にする一方で、商業不動産(CRE)プロップテックは、効率的に物件資産を運営、検索、賃貸するための革新的なツールを活用します。


不動産ポータル「Realestate.com.kh」は、掲載物件数3万件で、月々の閲覧者数が20万人を超えるウェブ上のプラットフォームです。


同社は、パンデミックの影響は依然として感じられるものの、2022年に入って、国外バイヤーからのオンライントラフィックが増えていると言います。Realestate.com.khのCEO、トム・オサリヴァン氏は、「多くの投資家がカンボジアを訪れることができなかったために、パンデミックの期間のオンライントラフィックは急増した」とコメントしています。


物件検索プラットフォーム(ユーザーが使いやすい掲載やマーケットプレイス、エージェント向けツールなどを提供しているもの)は、プロップテックのいい例です。カンボジアの不動産市場は変化してきています。オサリヴァン氏は、「市場が正常化するにつれて、国内、国外ともにトラフィックの再増加が見られます。過去数年間で、デスクトップからモバイルへの大きなシフトもありました。」と述べています。


同社は、欧米人、カンボジア人、中国人のバイヤー向けに、グーグル翻訳を使うのではなく、すべての言語でオンコーディングを行ったウェブおよびアプリを使い、ユニークなユーザーエクスペリエンスを提供しています。また、KEホールディングス社(KE Holdings Inc.)と戦略的パートナーシップを提携し、2022年第1四半期には、RealSee VR技術を使えるようにしました。360度のVRツアーは、すでに3年前から導入していたということですが、このRealSeeと独占的パートナーシップを結ぶことで、さらにこの分野を強化しています。コロナ禍でVRに注力するには絶好のタイミングで、カンボジアがポストコロナに移行しようとしている中でも、依然としてVRが人気だということです。



データセンター:デジタル化/ビッグデータ活用の動き

「ビッグデータ」もまた最近よく聞かれる言葉で、デジタル化・分析へのシフトにおいて重要です。ビッグデータは、不動産業界においては、データに基づいた戦略・開発の意思決定でも使われます。


アジア開発銀行(ADB)は、デジタル技術およびビッグデータは、東南アジアにおいてコロナ後の景気回復を加速させるカギだとして、技術インフラの改善やデジタル化を推進できるような人材の育成など、ビックデータを活用できるような政策改革をするよう提案しています。


委託・プロジェクト管理を行うシグナ社のアジア太平洋地域(APAC)担当の商業ディレクター、ダン・ファグ氏は、デジタル化により世界的にデータセンター需要が高まっており、カンボジアはその恩恵を受けることができるだろうと述べています。


「開発の立場からすると、APAC地域の新規プロジェクト数の増加は留まるところを知らず、今後も増えることしか予想できません。土地や競争面で、先進市場が飽和状態になるにつれて、東南アジアでも新規・新興市場が伸びてくると予想しています。」


国内外の企業により、過去数年でデータインフラが開発されてきたことで、東南アジア地域は、今後の開発を進めるうえで有利な立場にあるものの、エネルギー価格の上昇と電力確保が、成長の可能性の足かせになりかねないともコメントしています。


Mordor Intelligenceによると、世界のデータセンターサービス市場の時価総額は、2020年には489億ドルと言われており、2026年には1,056憶ドルに成長すると予測されています。


ダン氏は、カンボジア国内のデータセンター開発は需要もオポチュニティもあると考えており、商業、レジデンス、ホスピタリティといった他の不動産開発と比較して、投資額も相当なものになると述べています。



カンボジアにおけるブロックチェーンのオポチュニティ

ブロックチェーンは、資産の所有権を記録、移転するための安全かつ分散型のメソッドです。


ナキ・グループのCEO、ヴィアスナ・ミーアス氏は、ブロックチェーンの利用は、カンボジア不動産開発に恩恵をもたらすだろうとコメントしています。


「カンボジア不動産開発においてブロックチェーンを利用することで、より多くの投資家にリーチすることができると考えています。トークン化のメリットとして、アクセスの良さ、多様化、透明性、流動性があります。どういうことかというと、カンボジアの不動産投資に参加したいと考える人がいても、以前は手続き面で懸念や、単にどのようにして市場に参入したらいいかわからないということがありましたが、今ではそれが簡単にできるようになるのです。」


ナキ・グループが開発したプノンペンのコンドテル「シルバータウン(Silvertown)」は、このブロックチェーンテクノロジーを活用した実際の例です。「シルバータウンのトークン化の利点は特に、1)現実世界の資産であること、そして、2)2014年から営業を開始していることです。」



ヴィアスナ氏は、すでにシルバータウンが営業開始して何年か経っていることで、過去の実績データがあるため、シルバータウンのトークンを購入する人は、過去の実績を分析して、リターンを計算するための将来の業績を予測することができる、と述べています。プロジェクトに関するすべての情報をブロックチェーンに載せることで、デベロッパーは、より多くの投資家にアクセスできることで流動性を得ることができ、逆に投資家は正しい情報にアクセスすることができると話しています。

 

ナキ・グループは、カンボジアで初めてのトークン化された不動産投資のローンチを発表したところです。シルバータウン・トークン(STM)は、2022年第4四半期から、投資家向けに販売されます。



(出所:Khmer Times

(画像:UnsplashのJoshua Sortinoが撮影した写真)