フィリピン不動産投資はハイリスク?投資する際の注意点を解説

2021/03/03

フィリピン不動産投資はハイリスク?投資する際の注意点を解説



日本と比較したフィリピン不動産投資のリスク


日本国内の不動産投資と比較した時に、注意すべきフィリピン不動産投資のリスクについて解説します。



竣工リスク


フィリピンでは、日本と同じく新築と中古の不動産がそれぞれ流通しています。

しかし、中古の不動産については、オーナーから依頼を受けた個々のエージェントが情報を握っているのみで、オープンにはなっていません。

また、フィリピンでは外国人投資家による土地の所有が規制されています。

このため、日本人がフィリピン不動産に投資する場合は、新築のコンドミニアムを投資対象とする場合が大半です。

フィリピンでは、「プレビルド」と呼ばれる建設途中のコンドミニアムが多く販売されています。

日本でも、実需の場合も含めれば、完成前のマンションを購入することはさほどめずらしいことではありません。

しかし、フィリピンを含む海外では特に、建物の建設工事には時間がかかります。

また、完成が予定時期から遅れることも多いものです。

また、東南アジアにおけるプレビルドの物件には、購入者から回収した資金をそのまま工事費用に充当する自転車操業状態のプロジェクトもあります。

自転車操業のプロジェクトで売行きが良くないと、工事が途中で中断されることもあるので要注意です。

1度工事が中断されると再開されることは滅多にありません。

また、支払済みの資金も返還されないことが大半です。

工事が中断されて物件の引き渡しを受けられないリスクを「竣工リスク」と呼びます。

日本では滅多に心配ありませんが、海外不動産投資でプレビルドの物件に投資するときは、竣工リスクに要注意です。

竣工リスクを軽減するためには、フィリピン国内でも大手の不動産会社が開発している物件や、日本企業が開発に参加している物件などを選ぶ必要があります。



物件のクオリティに関するリスク


フィリピンを含む新興国の不動産投資では、物件が完成したものの、クオリティが著しく低いこともあるので要注意です。

最悪の場合は賃貸に出せないこともあります。

建物のクオリティが低いのは、職人の質の低さに原因があります。

フィリピンなど東南アジアでは、周辺諸国から出稼ぎに来た労働者が建設現場に入っていることもめずらしくありません。

必ずしも腕が良いとは言えないので、出稼ぎ労働者が大量に入っている物件では、仕上がりが良くないこともあります。

クオリティの低い物件を掴まないためには、売主がどのような会社なのか確認することが重要です。

フィリピン国内でも知名度が高くない不動産会社が売主の場合は、建設費を節約していることも考えられます。

大手デベロッパーの物件を選ぶほうが、確実に物件のクオリティを確保できます。

そのほか、フィリピンでは、日本のような管理組合による集合住宅管理の考え方が浸透していません。

メンテナンスが行われなかった結果、早い段階から建物が大幅に劣化することもあります。

管理費や修繕積立金等の徴収がないコンドミニアムでは、ビルメンテナンスにあたる管理をどのように計画しているのか、事前の確認が必要です。



不動産市場に関するリスク


フィリピン中央銀行の統計によると、フィリピンの住宅価格は2019年第2四半期以降から急激に上昇を始め、2020年第3四半期に急降下しました。

デュープレックスタイプの住宅を除き、フィリピンの住宅価格に急激な上下動が起きたのは、2016年以降では初めてです。

その一方で、日本では2020年中の住宅価格はほとんど変動していません。

フィリピンで急な住宅価格の上下動が起きたのは、韓国・中国などの投資家による動向が大きいと予測されます。

フィリピン政府の統計によると、フィリピンを訪問した外国人の中で多数を占めているのは、韓国人や中国人です。

また、フィリピンでは2020年にREITに関する規制が緩和されました。

外国資本がフィリピンのREIT市場に参入しやすくなった点も、住宅市場に影響をもたらしたと考えられます。

日本の不動産市場にも、香港やシンガポールなどの海外資本が流入していると言われています。

しかし、フィリピンの不動産市場は、日本よりも海外資本の動向による影響を受けやすい点に要注意です。

不動産市場の動向によるリスクを下げるためには、分散投資の考え方が重要になります。

フィリピン以外の国でも投資していれば、市場動向による損害をカバーできます。



賃貸管理に関するリスク


フィリピンを含む海外不動産投資では、賃貸管理のリスクを認識することが重要です。

現地の不動産会社に入居者募集などを委託していると、海外の投資家だからという理由で、対応が遅くなることもあります。

最悪の場合は、連絡が取れなくなることもあるので要注意です。

また、入居者募集の可否には賃貸管理会社の実力が直結しています。

賃貸管理会社の実力がなければ空室リスクも上がります。

フィリピンは人口増加が続いていることなどから、空室リスクが低い投資をできる環境が整っています。

しかし、フィリピンでは大規模なコンドミニアムが多数供給されていることも事実です。

どんな物件を買っても、どこの不動産会社に管理を任せても入居者が入るというわけではありません。

競争力の高い物件を購入するとともに、実力のある管理会社へ入居者募集を委託することが重要です。

賃貸管理に関するリスクを下げるためには、現地に拠点を構えている日系企業に賃貸管理を委託することが必要になります。

その他注意しておくべきポイントを動画でも説明しています。




海外不動産投資の中でもフィリピンが特におすすめである理由



フィリピン不動産投資にはリスクがある一方で、当然ながらメリットもあります。

また、日本から海外不動産投資をできるのはフィリピンだけではありません。

数ある海外不動産投資先の中でも、フィリピンを特におすすめできる理由について解説します。



インカムゲインとキャピタルゲインのバランス


不動産投資の利益には、インカムゲインとキャピタルゲインの2種類があります。

インカムゲインとは家賃による継続的な収入のことで、キャピタルゲインとは不動産の売却による売却益のことです。

日本国内の不動産投資では、築年数の経過とともに家賃収入は減っていくのが一般的です。

また、不動産の価格も段階的に下がっていきます。

人口減少による住宅需要の低下が見込まれる日本では、家賃や物件価格が低下する傾向は今後加速していくとも考えられます。

しかし、フィリピンではすでに人口が1億人を超えている上に、人口増加率もまだ高いままです。

国際連合の統計によると、2015年〜2020年の平均人口増加率は、日本が-0.2%である一方、フィリピンは1.4%でした。

人口が増加している国で不動産投資をするメリットは、住宅需要の増加によって、空室率の低い投資が可能になる点と、物件価格の上昇を期待できることです。

人口増加率とともに経済成長率も高水準を維持しているフィリピンでは、住宅需要も安定的に高まっていくと予測されます。

そのほか、年齢の中央値に着目すると、例えばタイやベトナムではすでに30歳を超えています。

特にタイは39歳まで上がっており、東南アジアの中ではかなり高い状態です。

その一方で、フィリピンの年齢中央値は24.1歳となっています。

年齢の中央値が低いということは、生産年齢人口が多いことを示唆しています。

都心では特に、生産年齢人口は住宅を賃貸することが多いものです。

年齢の面からもフィリピン不動産投資にはメリットがあると言えます。



日系企業も開発に参加しているプロジェクト


近年ではフィリピンに進出する日系不動産企業も多いものです。

例えば、Seasons Residences – Natsu Towerという物件には、野村不動産株式会社と三越伊勢丹ホールディングスが開発に参画しています。

そのほか、The Grand Midori Ortigasという物件の開発に参画しているのは、オリックスグループです。

フィリピン不動産投資には、建設途中で工事が止まってしまう竣工リスクがあることを解説しました。

しかし、日系の大手不動産企業が開発に参画している物件では、竣工リスクも低いと考えられます。



まとめ


フィリピンは成長性が著しく大きい国ではありますが、日本と比較すると不動産市場に未整備な点が多いことも事実です。

フィリピン不動産投資には、新興国特有のリスクがまだ残っています。

しかし、日系企業が開発に参画している物件を選べばリスクを軽減することが可能です。

また、物件引渡し後の賃貸管理についても、日系の現地企業に依頼すればスムーズな運用を期待できます。

弊社では、フィリピン現地に拠点を構えているほか、フィリピン不動産の経験を豊富に持ったスタッフが投資家の皆様をサポートしております。

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