[ASEAN] IMF:今年の経済成長率を下方修正するも来年は力強い成長を予測

2021/08/05

[ASEAN] IMF:今年の経済成長率を下方修正するも来年は力強い成長を予測


国際通貨基金(IMF)は、ASEAN5か国の経済成長見通しについて、Covid-19感染がいまだ多い状態が続いており、パンデミックに端を発した不況からの回復を冷え込ませているとして、下方修正しました。


IMFが発表した、2021年7月の世界経済見通し(July 2021 World Economic Outlook (WEO))の中では、ASEAN5か国の経済成長見通しを、2021年4月時点の予測4.9%から4.3%に引き下げました。


このASEAN5か国には、フィリピンの他に、インドネシア、マレーシア、タイ、ベトナムが含まれています。IMFは、各国ごとの予測の内訳については発表していません。


感染の波が活動の妨げになっている状況が、ASEAN5か国でも起こっているとIMFは述べています。


一方で、2022年については、当初の6.1%から引き上げて、GDP成長予測を6.3%としています。



つい数か月前の6月、IMFは、フィリピンのGDP成長率予測を、政府のワクチンプログラムの遅れを理由に、当初の6.9%から5.4%に引き下げたところでした。一方で、2022年の成長予測については、6.5%から7%に引き上げています。


IMFミッションチーフのトーマス・ヘルブリング氏は、6月に行われたバーチャル会見で、「前半期の回復の遅れは、4月をピークにした感染の第2波の影響で、より厳しい隔離措置の実施が必要になり、信頼感が圧迫されたことによるものです。しかし、現在では第2波から抜け出そうとしている状態です。」


IMFはさらに、新興市場・発展途上国のGDP成長見通しについても、今年は6.7%から引き下げて6.3%としましたが、来年は5%から引き上げて5.2%と置いています。


「新興市場・発展途上国のグループの見通しは、4月のWEOと比較して0.4ポイント下方修正しました。これは、主には、新興アジア諸国の成長見通しの引き下げによるものです。」とIMFは説明しています。


IMFは、新興・発展途上アジア諸国の今年のGDP成長予測を、8.6%から7.5%に引き下げましたが、一方で来年の予測を6.4%に引き上げました。


中国の今年のGDP成長率予測は、公共投資と全体的な財政支援の縮小を背景に、8.1%に引き下げられ、一方で来年は5.7%に引き上げられました。インドについては、今年は12.5%から9.5%への引き下げ、来年は7%から8.6%に引き上げられました。下方修正は、今年の3月から5月までの深刻なコロナの波を加味したものです。


IMFは、全世界のGDP成長率予測については、今年の6.0%を据え置きとしましたが、2022年についてはさらに急速な拡大が進むとして、4.4%から4.9%に上方修正しました。世界経済は、2019円の2.8%成長からCovid-19パンデミックの影響を受けて、2020年には3.2%縮小しました。


(出所:Philstar

(画像:Photo by Markus Winkler on Unsplash )