シンガポールで話題のコレクティブセールって何?

2018/02/06

Collective SALE (En Bloc SALE)

昨今 新聞記事を賑わせているCollective SALE です。

当地にお住いの日本人は大方がテナントさんであまり馴染みないかもしれません。コレクティブ・セール 俗にエン・ブロックと呼ばれ、シンガポーリアンであれば知らない人なし、知り合いにまず一人はエン・ブロック長者がいるはずです。コンドミニアムなどの集合物件で、オーナーが一括して一棟ものとして、建物土地ごと売却するのがエン・ブロックです。個別で売却するより高くプレミアムをつけて売れるために、コレクティブ・セール狙いの投資も多々あります。


容積率が上がった建物、老朽化して修繕費用が高い建物、古くなりテナント付けが悪くなった建物、一件当たりが広く格安な物件などが中心です。デベロッパーが好立地の土地を選べることもあり、政府土地入札より融通の利くエン・ブロックは 売り手買い手ともにウィンウィンディールになりえます。

過去にも何度もコレクティブ・セールブームは起こっていました。

前回2006年、2007年のブーム時にはそれぞれ75億ドル、110億ドルの建物がエン・ブロックされました。その跡地は新しいコンドミニアムが建ち、政府による大量の土地供給と重なったこともあり、過去数年のオーバーサプライとそれ価格調整の原因となりました。2017年も100億ドル近い建物がコレクティブ・セールされています。オーナー8割の合意、販売価格の設定や配分についての話し合いなど、一筋縄ではいかないディールなので今回成功している多くは2回目や3回目の試みです。販売資金がオーナーの手に入り始めるのは今年の中旬ぐらいからで、4000戸近くの住宅がその後1年ほどで取り壊しが始まります。次の建物が出来上がるのは5年以上後のことなので、この数年需給が締まってきます。2018年度も120ほどのコンドミニアムで会議が進行中であり、街の若返り当面続きそうですね。

買い手のデベロッパーはプロです。プロが適正であると思う価格での入札なので、その価格に建設費用とマージンを乗せた金額が将来の販売価格になります。郊外で$1800平方フィート、市内は$2800から$3000平方フィートと現在の価格より大幅上昇をデベロッパーは見ているということです。現在の価格より3割以上高い価格です。大金を手に入れたオーナーは、市内の物件を探す傾向があり、現在進行中のオーナーからすでにお問合せ始まっています。資金が入り買い始めるのは今年半ばぐらいからで来年1年ぐらいは代替需要の買いが続くでしょう。