インフレが海外不動産投資に与える影響5つ|対策案を専門家が徹底解説!

2025/02/03

監修: 不動産のエキスパート 風戸裕樹


「インフレって海外不動産投資に影響するの?」
「インフレの影響を受けるなら具体的な対策を知りたい!」



海外不動産投資をお考えの方も、すでにお持ちの方も、インフレの影響は気になるところですよね。

今回の記事では、インフレが海外不動産投資に与える影響を、初心者向けにわかりやすく解説します。

最後まで読むことで、インフレの影響はどのように表れるのか、影響を軽減するためにはどのような対策ができるか理解できます。

海外不動産の投資を検討中の方、インフレの影響を理解して対策したい方は、是非参考にしてください。





インフレが海外不動産に与える影響5つ


インフレーション(インフレ)とは、世の中のモノやサービスの価格(物価)が全体的に継続して上昇することです。

インフレーションは、私たちの生活に様々な影響を与えます。

海外不動産投資にも、その影響は表れます。

代表的なものは、以下の5つです。

影響1 金利の上昇
影響2 不動産価格の変動
影響3 家賃の増加
影響4 通貨の価値
影響5 投資先の経済状況

ひとつずつ見ていきましょう。





【影響1】金利の上昇



インフレが進行すると、海外不動産は金利上昇の影響を受けます。

中央銀行が、景気過熱やインフレを抑制し、経済活動のペースをコントロールするために、政策金利の引上げを行うからです。

政策金利が上がると、ローンの利子が高くなり、借り入れコストが増加します。

現地の不動産開発会社は、不動産開発コストが上がるので、開発計画の見直しや遅延の検討を迫られることがあります。


一方、投資家は、海外不動産購入の際に変動金利のローンを利用していると、返済負担が大きくなります。

変動金利では、返済期間中に適用される金利が適宜見直しされるため、金利が上がると、返済総額が増えるのです。

返済負担が増えると、投資利回りも低下しますので、不動産を購入しようとする人々の意欲低下にもつながります。


また、負担が思った以上に増えてしまうと、返済できなくなる投資家も出てくるでしょう。

金融機関にとっては、金利の上昇は、貸し出したローンの返済が滞るリスク上昇につながります。


そのため、住宅ローンの審査(貸出金額や返済期間の上限など)も厳しくなりがちです。

住宅ローン審査が厳しくなることで、借りる金額の縮小や返済期間の短縮を検討するケースも出てきます。

投資しようとする不動産の予算を、引き下げざるを得なくなることもあるでしょう。

このような影響を軽減するためには、固定金利ローンの利用や、家賃の引き上げなどの対策検討が必要です。





【影響2】不動産価格の変動


インフレにより不動産価格は上向きの影響を受けますが、一部では下落することもあります。

海外不動産に限ったことではありませんが、インフレが進行すると、一般的に不動産価格は新築物件を中心に上昇します。

これは、物価全体の上昇にともなって、建設コスト(建設資材や人件費)や土地の価格も上昇するからです。


新築物件の価格が上がると、既存物件の需要が増すこともあります。

また、インフレによる現金資産の価値が目減りに対抗するため「インフレヘッジ」として実物資産である不動産などに投資する人が増えます。

不動産投資の需要増加もまた、物件価格の上昇につながるのです。

インフレヘッジについては、以下の記事で詳しく説明しています。

インフレ時の海外不動産のメリットは? ポイント5つをわかりやすく解説!



一方で、「影響1(金利の上昇)」で述べたローン金利の引上げが起きると、不動産価格が下落することもあるので注意が必要です。

返済総額の増加を理由に不動産を買い控える消費者が増えると、不動産市場の需要が低下します。

消費者の購入意欲を掻き立てるべく、不動産価格を引き下げる必要があるでしょう。


とはいえ、物価上昇が進むと、インフレヘッジとして不動産投資を検討する投資家も増えますので、不動産需要は底堅く支えられることが多いです。

不動産価格の変動に対抗するためには、賃貸需要の高い物件や将来的な価値向上が見込まれる物件を慎重に選定しましょう。





【影響3】家賃の増加

インフレは、海外不動産の家賃水準にも影響を与えます。

物価や人件費の上昇による賃貸住宅の経営コスト増に対応して、家賃を引き上げるオーナーが増えるからです。

また、新規の賃貸物件の供給が減り選択肢が限られると、家賃の上昇につながる場合もあります。

金利が上昇すると不動産投資のメリットが減るので、新規で参入する投資家も減少します。

家賃を引き上げることで、収益性を上げることができるのです。


ただし、家賃の引き上げが難しい場合もあります。

家賃の引上げには、地域の賃貸相場や賃借人の経済状況、物件の状況が関係するからです。

海外不動産投資では、投資家が土地勘や詳しいエリア情報を持ち合わせていないと、このような重要な要素を見逃しがちです。

購入する物件を選定する際には、物件の所在地やエリアの賃貸市場に精通したエージェントに相談すると安心でしょう。




【影響4】通貨の価値

インフレは、その国の通貨の価値に影響を与え、他通貨に対して下落させることがあります。

海外不動産投資では、不動産を購入したり、得た収益を自国の通貨に換算したりする際の為替リスクが高まります。


為替リスクについては、以下の記事で詳しく説明しています。
インフレ時の海外不動産のデメリットは? 失敗しないためのポイント5つ!


また、通貨価値の下落が、さらなる物価上昇を招くこともあります。

例えば、建設資材や、燃料となる原油の輸入割合が多い国では、現地通貨安により輸入コストが増加するからです。

あわせて、輸入した物品を運搬するための輸送費も増加します。


海外不動産投資に通貨の影響は付き物ですが、急激な変動は大きな損失につながります。

為替変動の影響を軽減するための対策を講じたり、収益を現地通貨のまま再投資に回すなどの対策も有効でしょう。




【影響5】投資先国の経済状況



インフレは、その国の経済そのものにも様々な形で影響を与えます。


物価が上昇することは、一定額のお金で購入できる商品やサービスの量が減ることです(購買力の低下)。


購買力が低下すると、一般的に消費者の購買意欲は低下し、経済活動が鈍化します。



また、生活必需品の支出が家計を圧迫するので、消費者はぜいたく品や不動産のような高額商品を買い控えがちです。


とはいえ、将来のさらなる物価上昇に備えて、短期的に購買意欲が高まることもあります。


「もっと高くなるかもしれないから、今のうちに買っておこう」という心理が働くからです。



一方で、インフレが適度なペースで進む場合は、企業が利益を増やし、賃金も増えるため、経済活動が促進されます。


賃金が物価上昇に見合ったペースで上がれば、消費者は引き続き積極的に商品やサービスを購入できるからです。


このように経済状況と不動産需要は密接に関わっています。


海外不動産に投資する際は、投資先国の経済状況の把握が重要です。





まとめ


今回は、インフレが海外不動産に与える5つの影響についてご説明しました。


影響1 金利の上昇

影響2 不動産価格の変動

影響3 家賃の増加

影響4 通貨の価値

影響5 投資先の経済状況



インフレが進行すると、金利が上昇し、住宅ローンの返済総額が増加します。


物価の上昇を受けて、不動産価格も上昇しますが、金利の上昇の影響で不動産需要が冷え込むと下落することもあるでしょう。


物価や金利の上昇によるコスト増を家賃に転嫁できるので、家賃収入は増加します。



一方で、インフレにより通貨価値が下落すると、海外不動産投資の際の為替リスクは高まります。


また、インフレは、海外不動産投資先国の経済状況、さらには不動産需要とも密接にかかわっています。



インフレが進む中で海外不動産に投資をする際は、リスク管理戦略が成功のカギです。


金利・通貨・現地経済の動向はもちろん、投資するエリア情報など、総合的に見る必要があります。


情報収集に努めるとともに、経験豊かな専門家に相談しながら、戦略をしっかり練っておくと安心です。







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海外不動産投資に関してご希望の情報や、不動産投資を始めるうえで気になる点がありましたら、お気軽にご利用ください。


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最後までお読みいただき、ありがとうございました。