[フィリピン] 第2四半期予想を超える成長率なるか

2022/08/09


人や物の移動制限が解除され、経済が徐々に回復したことで、予想以上の成長率を遂げた可能性があります。各社の予想を見ていきましょう。



英国を拠点とするキャピタル・エコノミクスは、第2四半期の国民総生産(GDP)成長予測を引き上げて8.3%としたとコメントしています。フィリピン統計局が発表した、2022年第1四半期のGDP成長率を8.3%と同じです。



キャピタル・エコノミクスは、フィリピンGDPを「安定的な成長」と見ています。1月から3月と、4月から6月では、成長率に「ほぼ変化なし」と予想していました。



「感染者数の減少で人々の動きが回復し、経済の再開による後押しが、この四半期の経済に重要なサポートを与えるでしょう。」しかし、物価高と利上げという別のものが回復の足を引っ張ることになりそうだとも述べています。



インフレは、月を追うごとに加速し、第2四半期終了時は6.1%となりました。一方で、フィリピン中央銀行(Bangko Sentral ng Pilipinas)は、第2四半期で合計0.5パーセンテージポイントの利上げを行い、6月終了時点で政策金利は2.5%となりました。



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キャピタル・エコノミクスは、このような状況が進む中、フィリピンからの輸出の成長率は横這いであったと指摘しています。



オランダを拠点とするING銀行(ING Bank)もまた、第2四半期の成長率予測を見直し、8.3%から8.8%へと引き上げています。フィリピン経済が第1四半期の勢いを保つ前提です。



「選挙関連の支出が成長を刺激するでしょう。3月に行動制限が緩和されてからの家庭消費もさらなる押し上げとなるでしょう。」



ゴールドマンサックス・マクロ・エコノミクス・リサーチ(GoldmanSachs Macro Economics Research)もまた、前回の8.3%成長の予測から8.5%に上方修正しています。行動制限が緩和されたおかげで、サービス業界が活発化していることに触れました。




ニューヨークを拠点とするゴールドマンサックスは、フィリピンの経済活動の再開は思ったよりも早かったと述べています。



HSBCグローバルリサーチは、フィリピンのGDPが「第1四半期とほぼ同じペースで成長する」と述べ、第2半期を8.1%成長と予測しています。



「経済の再開が成長をいくらか促した一方で、物価高の圧力が実質所得を絞り込み、成長全体に重くのしかかった」とコメントしています。



セキュリティ・バンク社(Security Bank Corp.)の副社長補佐・エコノミストのロバート・ダン・ローセス氏は、高いインフレの中、民間の消費が伸び悩むとして、7.5%を予測していると話しています。



しかし、「よりよい政府の支出、資本構成の良さに力強い輸入に相殺されただろう。」とも述べています。



政府の経済チームは、2023年初旬からマルコス大統領の任期が終わる2028年まで、6.5%から8%成長するだろうと述べています。





(出所:Business Inquirer

(画像:Photo by REY MELVIN CARAAN on Unsplash)